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子育て、やがて親育ち

「自分は幸せだ、と思える子が増えてほしい」。臨床心理士である芳沢実依(よしざわ みえ) さんは、自身の育児経験をもとにmyrkの活動を始めました。生駒駅から車で30分。高山町の里山きゃんぱすには、のびのびと過ごす親子の姿がありました。

芳沢実依さん

myrk(マイアーク)代表。京都府生まれ、熊本県育ち。臨床心理士として働いたのち、結婚・出産。夫の実家がある大阪市内を経て、生駒市高山町へ。小学生の主体的な学びを大切にする「放課後活動」、いろんな世代が集う「親子里山散歩」など、自然と人のあたたかさで親子をサポートする活動を展開する。
https://myrkmyrk.jimdo.com/

子どもに実体験を、大人に問いを

どのように活動が始まったのですか?

きっかけは、私が初めての子育てで、孤独を感じていたことです。地域とのつながりがなく、周りに気軽に相談できる友人もいない。1年目が、めちゃくちゃしんどかったんです。

「このままじゃダメだ、外に出よう」と、カウンセラーとして働くことに。保育士さんやたくさんのお母さんとの輪が広がりました。大きな転機となったのは、東大阪市の保育園での仕事でした。月に1回、地域のお母さん向けに、心の発育をテーマにした親子教室を開催したり。年に4回ほど、子育てをより楽しむための育児講座を開くんです。そのとき「どんな気持ちもあっていいんだ」「子育てを一人でしないっていいな」と実感できたことが、myrkにつながります。

その後、一家で高山町へ引っ越されたんですね。

myrkは最初のうち、公民館のホールなどで活動していたんです。もっとのびのび過ごせる環境を求めて、どんどん山のほうに来ちゃいました(笑)

たとえば活動の一つである「放課後活動」では、親子はどのように過ごしますか?

遊び方を決めるのは、子ども自身です。もしも、myrkに木に登るプログラムがあれば「なんでうちの子は登れないんだろう?」と思う親もいますよね。ここでは登りたくなった子が、登る。親も楽な気がします。子どもたちは、できるだけ多くの実体験を積んでもらえたら。

一人での子育てと、親同士での子育てはどう変わりますか?

上の子が小学生で、下が幼児だったら。どうしても上の子を「先に行かんといて!」と止めたり、下の子に「早く行くよ!」とせかしてしまいます。でも、親が2人以上いれば、よりのびのびと遊ぶことができますよね。

つい大人は先回りして、「危ないからダメ」「汚い、やめて」と言いがち。私も最初のうちは、川の水に手足をつけたら服が汚れると思ったんですけど。ともに子育てをする中で、後で洗えば大丈夫かなと。大人にとっては「どうして先回りしたくなるの?」という問いに、学びがあるかもしれません。

次は地域の中でも安心して育ってほしい

最近は、地域の方とのつながりも生まれつつあると聞きました。

一番上の子が小学校に上がり、ちょっとずつ親離れが始まったんです。次は地域の中でも安心して育ってほしいと思うようになりました。ちょうどその頃、高山町の有志が市民自治協議会を目指して立ち上げた団体「ネットワーク高山」が軌道に乗り始めており、私も近所の方から誘ってもらったんですね。myrkの活動にサポートやつながりが生まれ、高山町が盛り上がるお手伝いができるならと参加しました。

ネットワーク高山へ参加してどうでしたか?

私の安心感が、ぐっと増えました。myrkでは、2か月に1回お散歩会を開きます。高山のおじちゃんが一番後ろから見守ってくれるんですね。お散歩会のお弁当は、高山のおばちゃんにつくっていただきます。当日のお弁当まで手が回らない親も、高山で美味しいご飯を食べて過ごせたら。

子育てが活動のベースにありつつ、親自身のことも考えられているんですね。

ええ。ここには親も子も「今のままのあなたで大丈夫だよ」と伝えられる場所がある。そう思っています。

(2018.10.09)

自分たちの住む地域について語り合い、将来ビジョンや地域の課題を考え、住みよいまちづくりに向けて取り組む組織。生駒市自治基本条例にも規定している。自治会や地域団体、NPOなどが連携し、お互いの顔が見える小学校区程度の区域での活用を想定している。
市民自治協議会

いいサイクルはじめよう、いこまではじめよう

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