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自分の困りごとから「始めてみた」。地域と仲間と織りなす日常。

生駒駅から電車で4駅。閑静な住宅街が広がる萩の台住宅地で、月1回、主に未就学の子どもと保護者を対象に、公園で一緒に遊ぼうという企画「公園にいこーえん」などを主宰する真下藍(ましもあい)さん。まちの課題に真摯に向き合い、熱量をもって行動するまでの経緯について、お話を聞きました。

真下藍さん

生駒市萩の台住宅地出身。2019年から、公園にいこーえんを主宰する一児の母。大学卒業後、会社勤めをしていたが、生駒で生活する時間を長くしたいとの思いから現在は地域での活動や仕事を両立しながら暮らす。いこまち宣伝部5期生。

住んでいるまちに対して感じた寂しさ

真下さんが萩の台住宅地で暮らし始めた経緯を教えてください。

萩の台住宅地が開発された幼少期から、家族で住み始めました。社会人になったタイミングで2~3年大阪で一人暮らしをしましたが、自然が豊かで暮らしやすい生駒に戻りたくなり、実家から大阪に通勤するようになりました。その後、結婚や家庭の環境にあわせて、門真市や奈良市など、住む場所を変えてきました。

出産をきっかけに戸建て住宅を検討していたときは、生駒に限らずあらゆるエリアが候補になりました。価格や利便性、息子の学校区など様々なことを考慮し、最終的に実家近くの萩の台住宅地に住むことになったんです。

久しぶりに住んで感じたことはありましたか。

私が小さいころは人が出歩いて活気があった印象でしたが、久しぶりに戻ってきた2018年頃は、外を歩いてもあまり人に会わないし、子どもを連れて公園に行っても遊んでいる人がいない。まちの開発からたった30~40年でこんなにも様子が変わってしまうのかと思うと寂しさがこみ上げ、萩の台住宅地の未来が心配になってきました。

人との出会いがつなぐ課題解決への道

まちの課題に対し、自分主体で動いてみよう!と思ったきっかけはありますか。

友人の奥田陽子さんや、イコマカメラ部も主催している中垣由梨さんに相談したことがきっかけです。2人からは、「生駒では様々な企画やイベントが催されているので参加してみながら、やりたいことをやってみたらいいんじゃないか。自分でやる方が絶対に面白いよ」と、アドバイスいただきました。その助言をきっかけに地域の人とつながる居場所をつくってみようと考え始めたのです。

まずは一緒に活動してくれる仲間を探しました。ただ仲間の探し方がわからず、いきなり壁にぶち当たります。どうやって進めたらいいんだろうか…と悩んでいたとき、2つの出会いがありました。

ひとつは、広報いこま「いこまち」で紹介されていた「あすか野ミライ会議」の記事です。そこには「地域活動は、一人しかいなければ一人からできることを始めてください」と書いてあったのです。仲間がいないと進められないと思い込んでいた私は、ないこと・できないことにばかり目を向けないで、自分が持っていること・できることに目を向けよう、と前向きになれたのです。

もうひとつは、市民PRチーム「いこまち宣伝部」の同期として出会った田村るみさんです。宣伝部の初回研修の自己紹介で、私はいこーえんの話をしたんです。その話に興味をもってくれた田村さんが、子どもも含めた家族ぐるみで一緒に活動してくれることになったのです。あれだけ悩んだ仲間集めが、全然違う場所で解決してしまいました。

すごいですね!実際にいこーえんをやりはじめて、難しさや負担を感じることはありませんか?

活動当初は運営に必死になりすぎてしまい、自分の子どもに気をかけることができませんでした。子どものために企画したのに息子が機嫌を損ねてしまい、しばらく落ち込みました。
そのときに、知り合いで市内のフリースクールを運営する溝口雅代さんに気持ちを吐き出したところ「初回や2回目ではなく、10回目の開催を楽しみにしてみたら?」と言われ、気が楽になったことを覚えています。その後も上手くいかないことはありましたが、9回目には息子が笑顔で遊んでいる姿を目にすることができました。

今では50回目を迎え、私にとっていこーえんはもはや地域活動ではなく、思いつきを形にできる豊かな場所です。子どもたちや保護者が遊び、地域の人も混ざりあう様子を見ながら、私自身も毎回楽しんでいます。

「これから」を教えてください

萩の台住宅地が細く⻑くゆるやかに続いてほしいと願っています。そのために私たち⼤⼈も、⾃由に楽しみながら活動を企画したり、参加したりできればいいですね。 そして、いこーえんに遊びに来ている⼦どもたちが将来、⾃分もこのまちで好きなことをやってみ ようと思ってくれたら嬉しいです。誰かが始めたことがヒントになって次の活動が⽣まれる、そんな循環が続いていってほしいなと思います。

(2025.1.10)
ライター:いこまち宣伝部6期生 ぶっしー/ カメラマン:いこまち宣伝部6期⽣ さくさく

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