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高山町で養蜂家に。父からもらった「好き」のある暮らし

田んぼや畑が広がる自然豊かなまち、高山地区。
そんな場所で生まれ育った逢阪昌平さんは、平日はトラックドライバーをしながら週末に養蜂を営み、はちみつ作りに励んでいます。仕事と暮らし、どちらも全力で楽しむ逢阪さんにお話を聞きました。

逢阪昌平さん

生駒市高山町出身。2020年、父から受け継ぎ養蜂をはじめる。現在は金剛生駒紀泉国定公園の中にある逢阪養蜂場を営む。花の種まきから採蜜を行い、市内外の飲食店やマーケットではちみつを販売している。3児の父。

父から息子へ。養蜂場で教わったこと

養蜂をはじめたきっかけを教えてください。

もともとは父から継いだことがきっかけでした。父は中学校の教師をしていたのですが、定年退職後に養蜂と出会い、大阪と高山町の2拠点で10年間ほどやっていました。
しかしある日、病気で入院してできなくなってしまったんです。余命も宣告されて、終わりが近い状況でした。

そのとき、「これで養蜂が途絶えるのはもったいない」と思ったんです。それまで父の養蜂を手伝ったことはなかったのですが少しだけ興味があったので、父の病気をきっかけに継ぐことを決意しました。

ただ最初は、みつばちがこわくてこわくて。近づくことも触れることもできませんでした。
でも父が亡くなる半年前、一度だけ、二人で高山町の養蜂場へ行ったことがありました。
そのとき具体的に教えられたことってあまり覚えていないのですが、父の背中を見て感じたことがたくさんありました。なにより、「この場所に二人で立った」という事実が、ずっと自分の中に残っていますね。

みつばちってこわくない。

それから養蜂をどのように学んだのですか?

ほぼ独学です。教えてくれる人が身近にいなかったので自分で調べながらやり始めたのですが、継いで最初の1年でみつばちを全滅させてしまったんです ..。原因はダニがついてしまったことによる病気だったのですが、あれはショックでしたね。

それからダニ駆除の道具を調べて取り寄せたり、他県の養蜂場を訪問してアドバイスをもらったりしながら、必死でやって今年で4年目。最近ようやく安定して、はちみつを取れるようになり、みつばちをかわいいなと思うようになりました。

へぇ、みつばちがかわいい。どんなところが好きですか?

みつばちって人間と同じく繊細なので、こちらが警戒するとみつばちも警戒心が強くなるんです。最初の頃、僕は緊張でこわばっていたので、刺されることも多かったのですが、最近は触れることができるほどの距離感になりました。特にレンゲの花を吸っているときがね、かわいいんですよ。紫色の花と黄色いみつばちのコントラストが、高山町の景色に映えるんです。

想像するだけで幸せな気分になりますね。逢阪さんが思う高山町の魅力を教えてください

高山町は生まれ育ったところでもあり、とても好きなまちですね。昔はそうは思わなかったのですが、都会暮らしを経て、改めて田んぼや畑が広がっている景色はいいなぁと。
だから、みなさんにも高山町の良さを知ってほしいなと思いますし、そもそも「みつばちってこわくない」ということを伝えたいなと思います。これからは養蜂場の見学会などを積極的に企画したいです。高山町へ足を運んでほしいし、はちみつができる過程を知ってほしい、そんなきっかけをつくっていけたらいいなと思っています。

父が残してくれたもの

最後に、トラックドライバーをしながら養蜂を続ける秘訣について教えてください。

平日はトラックドライバーで全国を飛び回っているのですが、ありがたいことに副業もOKな会社なので、家族もやりたいことを後押ししてくれているので、休日の養蜂もストレスなく向き合えています。
ちなみにトラックドライバーも養蜂も「やらされている感」は全くありません。さらにプライベートも家族と過ごす時間に全力なので正直休みはありませんが、どれも「好き」なことで楽しくやれているので、ありがたいことだなと思っています。
そういえば父もずっと働き続けていた人なので、似ているのかもしれませんね。

父が「残してくれたもの」って、実はすごく大きいことなのではと思います。お金や家、土地よりもすごいことなんじゃないか、と。よく二人で妻と話していますね。

(2023.10.13)
ライター:⾼根恭⼦ / カメラマン:いこまち宣伝部6期⽣ 中村京⼦

れんげの花から採れたはちみつ。すっきりとやさしい甘味が引き立つ味わいです。
逢阪家ではレモンをはちみつ漬けにして水や炭酸で割って飲むのがお気に入りなのだそう。

いいサイクルはじめよう、いこまではじめよう

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