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通過駅、今日から着地点

「奈良県で生まれ育ったけれど、生駒は正直縁がなかったんです」。2015年、大阪転勤を機に、夫婦で生駒市内の賃貸マンションに住み始めた小澤晃広(おざわ あきひろ) さん。何かと関わりが多いという宝山寺参道を歩きながら、生駒での4年間を、うかがいました。
※こちらは2018年に取材した記事で、現在は奈良県川西町長として川西町で暮らしておられます。

小澤晃広さん

不動産会社勤務。奈良県川西町生まれ。奈良市内の高校卒業後、東京の大学へ。不動産デベロッパーへ就職して東京、東北勤務を経験し、2015年から生駒市へ。奈良をおもしろくするプロジェクト「編集奈良」運営メンバー。

元気にまちに貢献してる人は、かっこいいな

小澤さんが生まれた川西町は、生駒市から南へ約15㎞。約8600人が暮らすまちですね。どんな環境で育ってきたんですか?

実家は材木店です。夕方になると、仕事を終えた大工さんや工事関係者のみなさんが集まって、うちで一杯やるんです。話題は決まって、まちのこと。「最近、自治会で頑張ってるよね」「次の土日は消防団だな」。ぼくの親父も、少年野球の監督をやっていました。

ところでうちのお祭りには、お神輿(みこし)がなかったんですよ。そこで、少年野球のみんなでつくったんです。竹を組み、ダンボールに金紙貼って。まちの人がすごい喜んでくれました。当然ぼくらも、すごく嬉しかった。

大人の背中を見て、子どもたちも行動したのかな。周りが喜ぶことを、みんなで一緒につくる。それが小澤さんの原体験なんですね。

元気にまちに貢献してる大人は、かっこいいな。ずっと、それがベースにあります。奈良市内の高校に進み、大学ではまちづくりを勉強して、卒業後は不動産デベロッパーへ就職しました。東京、東北勤務を経て、2015年に大阪支店の立ち上げ担当として、転勤が決まったんです。

大阪に住む選択肢もあったのでは?

妻が東北出身で。初めての関西に不安もありました。そんな中でも、帰省で来ていた奈良には、安心感があると言うんです。通勤も考えて僕も「1回生駒に住んでみよっか」みたいな感じでマンションを借りました

大阪に行くときに通り過ぎるところ、ぐらいに思っていた

当時は、生駒にどんなイメージがありましたか?

イメージがなかった。大阪に行くときに通り過ぎるところ、ぐらいに思っていたんです。友達とかできんのかな、どうかなって。そんな感じはありましたね。

そこで、地元の友達に会うたび「生駒に知り合い、いない?」って聞いたんです。すると「CODE for IKOMA(コードフォーイコマ)の人たちが面白いよ」と。

最初は「自分ITできひんしな」と思っていましたが、2015年に参加する機会が生まれます。宝山寺参道にある門前おかげ楼で「会いたくなる街をつくろう」をテーマにアイデアワークショップが開かれたんです。

そこで、生駒にも色々な人がいることを知りました。CODE for IKOMAのメンバーであるデザイナーの中垣由梨さん。宝山寺参道を盛り上げようと活動するみなさん。

翌年度には、生駒の未来アプリ・アイデアコンテストが開催されました。今度は僕もアイデアを発表すると、アイデア賞をいただいたんです。

どんなアイデアだったんですか?

生駒のイベントをサクサク知れるスマホアプリ「いこまちカレンダー」です。きっかけは、出産を経験した妻でした。ママ友に出会うため、子育て系のイベントに参加したいけれど、イベントを見つけるのが大変だと話していて。

暮らしから生まれたアイデアだったんですね。

小さな子どもを連れても、できるんだ

その後も、宝山寺参道には関わりがあるのですか?

ええ。2015年に出会った生駒聖天さんどう会の小川雅巳会長から、生駒聖天お彼岸万燈会(まんとうえ)の話を聞いていたんです。「千基の灯籠(とうろう)と1万本の蝋燭(ろうそく)に火をつけるのが想像以上に大変だ」と。お手伝いできたらと思っていたんですが、小さな子どもを連れては難しそう。せめてと思い、当日は観客として訪ねました。参道へ到着すると、さんどう会の方が声をかけてくれたんです。「小澤さん、親子で火をつけてみない?」

「ああ、できるんだ」、って。なんか嬉しかったですね。

小さな子どもを連れていたら、参加できないと思っていましたから。

 最後に、今後のことを聞かせてください。

人との出会いが積み重なる中で「まちと関わるっていいな」と思って。これからも、地域とつながりながら自分自身も貢献する姿を子ども達に見せていきたい。そう考えています。

(2018.10.06)

生駒山は、弘法大師や役行者を始めとした数々の聖者が修行したとされる場所。1678年、湛海和尚により宝山寺が創建されると、参道は門前町としてにぎわった。
宝山寺

宝山寺参道で大正時代より長年にわたり親しまれた料理旅館。2015年4月からは、名称あらため「門前おかげ楼」として、ゲストハウス・ギャラリー ・レンタルスペース等の複合施設として展開している。
門前おかげ楼

生駒山と宝山寺参道を古き良き時代のように甦らそうと、志を同じくするメンバーが集まり2013年春に結成。さんどう祭りや生駒聖天お彼岸万燈会や参道ご縁市など、参道を盛り上げる様々なイベントを企画・実施している。
さんどう祭り参道ご縁市

宝山寺で、「天地の恩」「国の恩」「師の恩」「父母の恩」の四恩に感謝を捧げ、先祖の供養と家庭の安全を祈願する法要。約千基の燈籠と1万本のロウソクを並べ、幻想的な雰囲気を醸し出す。
生駒聖天お彼岸万燈会

いいサイクルはじめよう、いこまではじめよう

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