月に数回だけオープンするサイフォン珈琲のお店
60珈琲(ロクマルコーヒー)
サイフォンで淹れた珈琲が味わえる「60珈琲」。月に数回、生駒市鬼取町にある飲食店「ラッキーガーデン」の一角にオープンします。注文ごとに一杯ずつ豆を挽きサイフォンで珈琲を淹れるオーナーのヒロコさんと愛子さん。二人の朗らかな声と珈琲のいい香り、静かに流れるジャジーな音楽の重なりが心地いいお店です。
珈琲が持つ奥深い甘さに導かれて
蒸気圧を利用して抽出する「サイフォン」式珈琲。丸いガラス器具の美しさと、お湯が移動して珈琲と混ざり合う過程に目を奪われます。
珈琲を淹れながらお客さんと会話を弾ませるオーナーの二人ですが、もともと珈琲が飲めませんでした。そんなとき、ある珈琲店で飲んだラテに「珈琲ってこんなにおいしいんだ」と感動し、そこから夢中になったそうです。そして、サイフォンで淹れた珈琲に「甘さが感じられておいしい」と心震えたことがお店を開く原動力になりました。
「色々な品種があって、どこでも気軽に飲める珈琲だからこそ、おいしいと思える一杯に出会えた感動は大きい。私たちが淹れた一杯をおいしいと思ってもらえたら、うれしいです」
丁寧なコミュニケーションが作る居心地よい空間
「運んできます」「ありがとう、よろしく」。かつて同僚だった二人はいつも息ぴったり。
何気ない言葉でも、お互いに丁寧に伝え受け取る姿が印象的で、声も朗らかで楽しそう。お客さんとだけでなく、働く者同士が良質なコミュニケーションを交わしていることが、店内の居心地よい雰囲気を作っているように感じました。
「私たちにとって楽しい時間であり、この空間にお客さまが来てくれることが本当にありがたいです」
明日からの私を励ましてくれるひととき
もともと60歳でお店を開きたいと思っていた二人。60の6を漢字で書くと末広がり、0はマル、円=縁と読めることから、ご縁が繋がり合って円となる場所になってほしいという願いを込めて「60珈琲」と名付けたそうです。
「人生や一日の中でほっと息つく時間はとても大切。お客さまにとってロクマルがほっとできる時間になれたらとてもうれしいです」
お店を出るとき、大きく手を振って見送ってくれるヒロコさんと愛子さん。一人ひとりとの出会いを大事にし、楽しそうに働く二人の姿を見て、「明日からも前向きに頑張ろう」と、すっきりした気持ちになれるお店です。
(2023.3.31)
WRITER たけがみみゆき
宮崎県延岡市出身、結婚を機に生駒へ。会社員で2児の母。会社とスーパー、子どもの通う学校を行き来する「日常の三角形」に退屈さを感じていたとき、いこまち宣伝部の活動に巡り合う。まちの皆さんの人懐っこさと、まちを変えていく力強さを目の当たりにして「生駒ってすごいな」とわくわくする毎日。野菜と果物、珈琲とフランスパンが大好き。(いこまち宣伝部6期生)