「ただいま」と帰りたくなるネパールカフェ
パリワール村
鹿畑町に、古民家を改装したカフェ「パリワール村」があります。ネパール人のアルジュンさんと妻の美々(みみ)さんがつくる料理は、ネパールのお母さんの味。どこか懐かしくて落ち着く店内は、訪れる人々をあたたかく包み込み、居合わせた人同士でゆったりとした時間を過ごせます。
常連さんの声から生まれた看板メニュー
「ただいま、お腹すいたー。何か食べさせて」「おかえり、今日は疲れているね。ダルバートにする?」。これは、近頃のパリワール村での私のあいさつ。近所なので、休日のたびに訪れています。
ダルバートは、ネパールの豆カレーでお店の看板メニュー。季節の野菜がたっぷりで、お腹いっぱい食べても胃もたれせず、男女問わず人気です。どれだけ疲れていても、これを食べると身体に元気が戻ってきます。当初はメニューになく、スタッフのまかない料理でしたが、たまたま見かけた常連さんが「おいしそう、食べさせて」とリクエストしたことがきっかけで、定番メニューになりました。
お客さんの会話が、いつしかパリワール会議に
古民家でどこか懐かしい空間は、訪れる人の気持ちを安心させてくれます。そのせいか、性別や年齢関係なく、はじめましての人同士でも、自然と会話が始まります。
顔なじみになったお客さんたちの会話は、いつしかお店のことを考える「パリワール会議」になりました。私も一員ですが、イベント情報満載のパリワール新聞や商品のポップを作ったり、新メニューに必要な設備の資金を募るパリワール基金を始めたりしています。店内にある手作りのポップや読み物の多くは、お客さんが作ったものなんですよ。
お客さんとお店、家族のような関係を
パリワールは、ネパール語で「家族」。「お店の名前のとおり、料理を提供するだけではなく、お客さんとお店が家族のように一体になれる場所にしたいです」と、アルジュンさんと美々さんは話します。
お客さんがお店のことを一緒に考えたり、オーナー夫婦がお客さんの体調や様子に合わせて料理をアレンジしたり。パリワールでは、まるで家族のような距離感で、お互いを思いやる雰囲気があります。この空間をぜひ一度、味わいに来てください。身体に優しくおいしい料理、ゆったりした時間の流れ、家族のような人との出会いがきっとありますよ。
(2024,3,11)
WRITER 武田香織
大和郡山市生まれ。2006年から生駒市在住の1児の母。平日は大阪の電機メーカーに勤務する会社員。休日の癒しは、生駒のお気に入りスポットで店主や常連のお客さんと世間話をして過ごすこと。(いこまち宣伝部8期生)