中庭を眺めながら、和菓子でひと息
幾世屋
10年以上生駒に住む人なら、お店の前でお団子を焼いていた先代の姿を覚えている人も多い老舗、幾世屋さん。今は娘の堀内由加里さんが営んでいます。お店の歴史は由加里さんの曾祖父がならまちで和菓子屋を開いたことから始まり、2代目が生駒へ移転し、置屋を改装して今の店舗の元となります。砂糖が貴重だった時代、材料が入らなかった戦時中、戦後には在日米軍にコーヒーを提供したことも。様々な経験を経て、創業90年を超えました。
伝統の味と時代に沿ったお店づくり
10年以上生駒に住む人なら、お店の前でお団子を焼いていた先代の姿を覚えている人も多い老舗、幾世屋さん。今は娘の堀内由加里さんが営んでいます。お店の歴史は由加里さんの曾祖父がならまちで和菓子屋を開いたことから始まり、2代目が生駒へ移転し、置屋を改装して今の店舗の元となります。砂糖が貴重だった時代、材料が入らなかった戦時中、戦後には在日米軍にコーヒーを提供したことも。様々な経験を経て、創業90年を超えました。
4代目となる由加里さんは今までの幾世屋の味を守りながら、国産の餅米やあずき、白砂糖の代わりに粗糖やざらめ糖を使うなど、素材にこだわりながら職人さんと共に製造しています。新しい試みとして、中庭を眺めながらお茶やお菓子を楽しめる喫茶スペースをつくりました。長年、看板娘をつとめるのはお母さん。今でもおしながきを書き、元気に接客もされています。現在はお姉さんも販売をいっしょに担当され、3人の女性の感性を活かしたお店づくりをすすめています。
これからも地域の方がほっと一息つける場所を
生菓子をはじめ、季節ごとの色とりどりの和菓子が並ぶ中、幾世屋の看板商品と言えば「宝゛多餅」(「宝」に濁点を付ける造語「ぼたもち」と読みます)。通常のぼた餅の3倍の大きさがあり、中の餅は米粒が感じられ、甘さ控えめのあんと良く合います。こしあんと粒あんがセットで夫婦(めおと)を意味してしているそうで、初代から販売されているとのこと。買って帰るだけでなく、喫茶スペースでも提供されているので、ほうじ茶や抹茶と共に素敵な器で楽しむこともできます。
また毎月10日(定休日の場合はその前後)には「おはぎまつり」が開催され、一口サイズのおはぎを季節にあわせて5〜8種類販売しています。「おはぎは手間がかかるのですが、お客さまが楽しみにされているので楽しいです」と由加里さん。
伝統を守りながらも時代の変化に合わせた和菓子が、私たちの思い出の味として引き継がれていくことを願って、今日も中庭の美しい緑を眺めながら抹茶で一息つきます。皆さんもぜひ立ち寄ってみてください。
(2020.10.5)
- 幾世屋
住所 生駒市元町1丁目10-9(近くにコインパーキング有)
電話 0743-73-2249
営業時間 9:00〜18:00(日曜日10:00〜18:00)
定休日 水曜日(木曜日は不定休)
WRITER 小林まっこ
兵庫県出身、2003年から生駒在住。市内で「cocodesign 山の印刷屋」主宰。趣味はカメラとアウトドア。「イコマカメラ部」を運営し、カメラで地域を盛り上げる活動をしています。これからもたくさんの人と関わりながら、生駒から楽しいことを発信していきたいです。(いこまち宣伝部3期生)