創業300年の老舗酒蔵でいただく、まかないランチ
中本酒造店 作宝楼
上町の住宅街をぬけた先にある中本酒造店は創業300年の老舗酒蔵。先代が住み、作業場だった母屋を改装し2024年10月にオープンした作宝楼(さほろう)では、酒造りに励む杜氏(とうじ)さんのための食事からうまれた「酒蔵まかないランチ」がいただけます。
多くの人が訪れる場所にしたい
風になびく作宝楼ののれんをくぐり、ガラガラと昔ながらの引き戸があくと、どこかなつかしい落ちついた空間が広がります。
300年の歴史をもつ中本酒造店。現蔵元の「子どもも大人ももっと多くのお客さんが訪れる場所にしたい」という想いから、お酒はもちろん、食事も楽しめる場所として作宝楼は生まれました。
建物は、住居や作業場として使われていた築約130年の母屋を改装。内装は、母屋にあるものをそのまま使うことにこだわり、特にかまどを使ったテーブルからは、当時の暮らしが感じられます。
杜氏さんへのまかないをランチに
この趣のある空間でいただけるのが、酒蔵まかないランチ。
酒造りは自然の恵みである米と水を使い、時には泊まり込みで仕込む大変な仕事。そんな杜氏さんの食事であるまかないを2017年から担当しているのが友里さん。意外にもまかないつきの酒蔵はとても珍しいそうです。
ランチでは友里さんのつくるまかない料理がいただけます。
「酒蔵なので、お酒の発酵に影響がでないよう菌のある食材は使いません」「あえてメニューはないんです。自分の目で地や旬の食材をみて決めるので」と話しながらも、「結局は私が食べたいものを作ってます」と笑顔で語る友里さん。行く度に変わる料理は素材を大事にした丁寧な味付けで、見た目にも美しいです。
酒蔵ならではの楽しみ方
お酒が飲める方には、日本酒のペアリングがおすすめ。友里さんがその日の料理にあう日本酒を選びます。料理の話はもちろん、酒造りの話をしながら、ランチをいただけるのはこの酒蔵ならでは。 日本酒は販売もしているので、気に入ったお酒を、そのまま買って帰れるのもいいですね。 私はいつも食事のあとにおいしかった1本を買って帰るのを楽しみにしています。
お店をお店の営業を担当している昌代さんは、訪れたお客様に「居心地がいい、いつまでもこの場所に居たくなる」と言ってもらえることが何よりもうれしいと話します。
昔ながらの建物がまるで見守ってくれているような安心感がある作宝楼。食事やお酒を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごしませんか。
(2025.2.26)
WRITER 武田香織
大和郡山市生まれ。2006年から生駒市在住の1児の母。平日は大阪の電機メーカーに勤務する会社員。休日の癒しは、生駒のお気に入りスポットで店主や常連のお客さんと世間話をして過ごすこと。(いこまち宣伝部8期生)