【レポート】いこまちマーケット部2期生vol.01
9月29日(日)、生駒で暮らす喜びを感じられるマーケットをつくる「いこまちマーケット部」2期生の活動がスタートしました。台風の影響で初回が延期になったため、この日は午前に1回目、午後に2回目の講義が行われました。講師は、マーケット研究者の鈴木美央さんと、都市計画プランナーの若狭健作さんです。
「マーケットを通じて、このまちに暮らす喜びを感じられる文化を作っていくことがいこまちマーケット部の目標」と前置きをして、鈴木さんからいこまちマーケット部で大切にしたい5つのことが共有されました。
まちは個の集合体。
「市民」とくくらず、一人ひとりの経験や思いを共有するところから始まる。
2 優しいまなざしを持つ
理解できないこと、うまくいかないことも優しいまなざしで対話を重ねていく。
合意する必要もなければ、共感できなくてもいい。違いをおもしろがる。
3 「納得感」の作り方を共有する
一人じゃできないこともみんなだとできるけど、みんなで決めることは難しい。
どちらも正解でどちらも正解じゃないことにどう向き合うのか。
4 なぜやるのかを問い続ける
私たちがマーケットの何に価値を見出し、期待し、マーケットを開催するのか。
生駒で暮らす喜びとなるマーケットを考え続けましょう。
5 正解はない、間違いもない
1人ひとりの個が自由でいられるのがマーケットの魅力。
違う側面が見えたらまちの魅力にもなりうる。1人の人は多面的で活躍の場がある。
メンバー紹介
いこまちマーケット部2期生の部員は11名。旅が好きでその土地のマーケットを訪れるのが好きな人、兼業農家をしている人、外国人に茶道を教えている人、スコーンを作るのが大好きな人、絵を描いたり教えたりしている人、保健師として働いている人、社会福祉事業に長年携わってきた人など、経歴はさまざま。
「副業で野菜を作って道の駅で売っているので、今年の目標で書いた“対面で売ること”をマーケット部で叶えたい」「親子で気軽に行けるマーケットをできたら」「マイノリティの人にも優しいマーケットをやりたい」と、すでに具体的なイメージを持っている人も。
「あちこちにマーケットがあって、遠くに行かずとも地元で買えるような、生駒でしかできない、生駒だからこそできるマーケットをやってみたい」という人に、鈴木さんは「暮らしに目が向いたときにまちへの愛が生まれる。地域で何でもできるのに地域の力をないがしろにして外にばかり目が向くのはもったいない。つながりがあれば地域でまわる」。若狭さんも「地域のセーフティネットはつながりからできている。それがあれば暮らしが豊かになる」と続きます。
さらには、「子どもを地域のみんなで育てたい。知らない人がいなくなるまちを作りたい」「リタイアを視野に入れて次の一歩を形にしたい」「今やっている活動の答え合わせをこのマーケット部でしたい」というように、マーケット開催の先にある未来を思い描く人、地域で関わっていくにあたってマーケットを1つの手段にしたいと考えている人もいました。
驚いたのは、「生駒の良さを再発見したから、生駒で活動を始めたい」というメンバーの多さ。
グッドサイクルいこまで知り合いが発信していることがきっかけでマーケット部に入った人、県外で暮らしてみてあらためて生駒の良さに気づいた人、自然と人の領域のバランスが好きで生駒を拠点に選んだ人、自分に起きた出来事がきっかけで急にまちに愛着がわいた人、地域活動に参加するようになって「生駒っておもしろい」と活動が加速した人。
「今日は生駒愛がどう生まれ、どう育むかの話が多いですね」という鈴木さんの発言にも表れていました。
好きなマーケット紹介
それぞれが写真を持ち寄り、好きなマーケットについても話しました。
マーケットに何を感じているか、モヤモヤも含めてみんなが思っていることを共有しました。
小さい頃に家族で行ったマーケットの記憶が大人になってから思い出されるという人の、「マーケットはまちのことを総復習で知れる機会」という発言には、「他と比較したときにやっぱりこのまちが好き、ちょっと残念なところも含めて愛おしい。そんなまちほどマーケットが生きる」と鈴木さん。「アンテナの感度を上げないと良さが分からないまちの方が良いよね」と若狭さん。
「異なるものが結びついたときに生まれる新しい“何か”が好きなので、今の活動に広がりを作れたらいいなと思い、マーケット部に入った」という人に、鈴木さんはとある和菓子店を例に挙げました。その和菓子店は駅前で老舗。初めてマーケットに出店した感想が「自分の店がこんなに知られていないとは思わなかった」だったそう。「買う目的がないと入りづらいお店だと、なかなか外に広まらない。マーケットだと、外にいることによって通りすがりの人に見てもらえる良さがある」と話します。
逆に、「素敵なマーケットのような場所より、近所のよく行くチェーン店でいつものコーヒーを飲む方が落ち着く。何者でもない自分でいられる場所の存在が大事。そこにある意味や感謝が大きい」という意見には多くの共感が寄せられ、「ストーリーが生きていてリアル。一人ひとりが生きること、暮らすことの話が今日は多いですね」と鈴木さんがまとめます。
マーケットの話から派生して、その人の在り方や本質的な部分にまで話が及ぶ場面もあり、本当に今日初めて会った人同士なのかと思うぐらい話の中身が濃かったのが印象的でした。誰かの投げかけに誰かが答え、アイデアを出す。そんなことがあちこちで起きていました。
マーケット開催日や開催場所が決まっていてそこに向けてみんなで作り上げることを目指した1期生と違い、2期生はすべてが白紙の状態からスタート。開催日時、場所、マーケットの形態に至るまで自由に決めることができるため、1期生とはまったく違ったマーケットになるかもしれません。
メンバーの個性や好きを生かしながらどんなマーケットが生まれるのか、今後の展開が楽しみです。
レポート:いこまち宣伝部5期生・いこまちマーケット部1期生 田村るみ
写真撮影:いこまち宣伝部6期生 中村京子
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2024.10.22 UP