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【宣伝部レポ】地域をつなげる高山八幡宮の宮座行事

いこまち宣伝部の中村京子です。
10月第3土曜日の夜、高山八幡宮へ向かいました。目的は宮座行事。宮座とは、神社の祭祀に関わる住民の集まりです。この日は村祭りの宵(よい)宮で、宮座による『ゴク上げ』という儀式が行われるのです。
全国的に宮座行事が衰退していく中で、高山地区は昔ながらの形が大切に受け継がれていて、その貴重さから生駒市の無形民俗文化財の指定を受けています。
到着してすぐに目に入ったのは、拝殿の白装束の人々。高山八幡宮には宮座が7つあり、そのうち6座が秋にゴク上げを行います。こちらはその6座の頭家(とうや)の方々。本殿へ上り、お供えを運ぶ役割を担います。

夜が更けると、儀式が始まります。拝殿の奥にはお供えの数々。その質・量ともに驚くほどで、この地区が昔から豊かな土地であったことが分かります。頭家は素襖(すおう)という麻で作られた羽織袴と烏帽子で正装をし、まず拝殿で宮司によるお祓いを受け、続いて奥の本殿へと進み、お供えを手渡しで運び上げます。本殿が終わると、左右に7つある祠にもお供えをします。

 

 

その後は宮司による祝詞奏上と金の御弊でのお祓い、頭家による玉串奉奠(ほうてん)が行われます。ここまでが『ゴク上げ』。この頃には日付も変わり、辺りは冷やりとした空気に包まれていました。お供えは早朝に再び本殿から出されます。

頭家と宮司により本殿から下げられたお供えはまず、境内中央の舞殿で6つの宮座に均等に分けられます。それを座の人々が舞殿を囲む様に建っている座小屋に運び、さらに各家に分配します。まだ暗いのですが、作業を手伝う人も集まって楽しげな光景に。


 

お供えを分け終わった頃には夜が明けていました。例年であれば各座で『朝座』という宴が行われますが、今年はコロナのため自粛。それでも「ゴク上げができて良かったよ」と、とても晴れやかなお顔をされていました。

このたび感じたのは、宮座行事が地域の繋がりを強く深くしているということです。ゴクを用意したり、提灯を下げたり、神様の恵みを分け合ったり。頭家の方々が「ここには団結力がある」と仰ったように、高山には私が忘れかけていた絆がありました。

<高山八幡宮>
・住所/生駒市高山町12679-1
・駐車場/あり
・連絡先/0743-78-1014
・ホームページ/http://www.80000good.org

※2021年3月末まで本殿修復工事中。御祈祷は受け付けています。

2020.11.24 UP

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